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【太陽】「へへっ、じゃあ、またオレといっしょに、ドライブして欲しいッス」
太陽が背中をかがめて、上目遣いにこっちを見る。
その様子と、キラキラと期待に満ちた眼差しは、まるで大きな犬みたいだった。
そう思ったら、あれこれ考える前に自然に頷いていた。
【明日叶】「ああ。いいよ」
【太陽】「やったあ! それじゃ、明日叶センパイ」
満面の笑みを浮かべた太陽が、右手の小指をぴっと立てて、差し伸べてくる。
【太陽】「指切りしよっ。指切り!」
【明日叶】「指切り……か」
なつかしいな。最後にしたのは、いつだったろう。
小学生の頃から、ついこの間までアメリカにいたから、ほんとに久しぶりだ。
おずおずと右手の小指をたてて差し出すと、太陽は躊躇いもなく小指をからめてきた。
【明日叶】「……っ」
あったかい。
小指から太陽の高い熱が伝わってくる。
【太陽】「ゆーびきーりげーんまん、うっそつーいたーらはーりせんぼんのーますっと」
【太陽】「ゆーびきーった」
太陽は「きーった」と言いながら指を離そうとしない。
でも、なんとなく俺も、久しぶりに感じた小さなぬくもりを心地よく感じてしまっていた。