+甘い微熱+P2
『休みの日にみんなで一緒になんかするって、あまりないだろ? ミッション以外での親交を深めるっていうのも大事だよ』
『えーっ、せっかくの休みなのに全員行動!? ウッザー……。第一、寒いしー、メンドーなんですけど』
『オレもスケートなんて嫌ですよぅ。なんでワザワザそんな寒いとこに行かなきゃなんないんですか』
『オレ、行きたいっス!! だって面白そうじゃん! ね、兄貴も行くっスよね?』
消極的な眞鳥さんたちを尻目に、ハイハイハイ、と威勢よく手を挙げた太陽がディオに迫る。それに鷹揚に頷いて、ディオが俺を振り返った。
『いいぜ。明日叶も行くだろう?』
『うん、スケートなんて久しぶりだから行きたい』
『なんだよー、明日叶ちんが行くって言うならボクだって行くよー!』
『小学校のレクリエーションか。あいつらのレベル的にはスケート程度がちょうど良いかもしれないな』
『レクリエーションなら暖かいとこに行きましょうよ~。温泉とか』
『おまえは年寄りか』
『まあまあ、桐生も眞鳥もそんなこと言わずにさ……。藤ヶ谷はどう? 楠本は?』
『俺は、明日叶が行きたいなら行く』
『……うむ。つまんなかったら、寝る、かも』
『興ちゃん、スケートリンクで寝たら凍死しちゃうよ?』
『よし、じゃあ、みんなで行こう』
なんのかんの言いつつ、全員、この日は予定を空けていた。
もちろん、俺も楽しみにしていた。グリフのみんなで遊びに行くなんて、めったにないことだから。
でも、一昨日あたりからなんだか背筋がぞくぞくすると思っていたら、あっという間に熱を出してしまった。
幼い頃ならともかく、いまは毎日トレーニングで身体を鍛えているから、めったなことじゃ体調を崩さない。次のミッションはもう少し先だから、ちょっと油断してたんだろうか。
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